神戸大学21世紀COEプログラム「惑星系の起源と進化」では、1990年代以降相次いで発見された系外惑星系や太陽系外縁天体の観測と理論の連携、はやぶさ搭載レーザー高度計開発とその初期データ解析への参加、惑星始原物質の分析的研究と再現実験とのリンク、惑星大気に関する理論的研究などを通じて、惑星科学の種々の手法を連携させ手法横断的に対象に迫る研究スタイル「神戸モデル」を定着させ、惑星科学の新たな展開を切り拓いた。一方、北海道大学では平成19年に理学研究院に宇宙理学専攻が設立され、宇宙物理学と惑星科学を融合し一貫して捉える教育研究理念「シームレスコスモゴニー」を掲げて惑星科学の広い分野に亘る教育研究を展開し、同時に情報基盤の構築に力を注ぎ、知見情報アーカイブの集積提供を進めてきた。惑星科学を横断的総合的に進めようとする両者の融合連携を核とし、その展開を強化することにより、惑星系の起源・進化・多様性を統合し普遍化した汎惑星系モデルの構築を目指したい。 |
惑星科学におけるフロンティアの拡大と研究の高度化は、起源・進化・多様性の総体を掌握しつつ高い専門性を持った教育研究活動を維持することを困難にしつつある。汎惑星系モデル構築のためには、分野を俯瞰し横断的な教育研究を可能とする場の形成が不可欠である。
本拠点形成計画では、21世紀COEプログラムの成果として神戸大学に設立された惑星科学研究センターを、企画運営・情報化・国際連携などへの対応力を持ち、国内外の惑星科学研究者やグループによる教育研究活動のネットワーク化を支援するコーディネーションセンターに拡充することを目的とする。コーディネーションセンターとしての惑星科学研究センターは、惑星科学コミュニティにおける人材育成や研究活動の触媒となり、惑星科学の様々な領域から人々が集い知見情報が集積される場を形成し、惑星科学の広がりを総合的に捉えるための基盤として機能する。 5年後には惑星科学研究センターを国際的な共同教育研究活動を展開する惑星科学国際教育研究拠点として発展させ、惑星科学における世界のセンターのひとつとして確立させることを目標とする。 |
神戸大学21世紀COEの陣容を北海道大学との連携により拡充し、インターネットを活用して一体となった事業運営を行う。拠点の運営委員会オブザーバとして両大学以外の惑星科学コミュニティ研究者にも参画を依頼し、コミュニティを基盤とする運営体制を確立する。 |
惑星科学コミュニティにおける様々な教育研究活動のネットワーク化を多面的に支援するコーディネーショングループ(CG)を創設する。
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これらのコーディネーショングループの支援とそれを介しての惑星科学コミュニティによる協力により、以下のような教育事業を展開し、惑星科学の知見情報を集積提供し発展させる場を形成する。
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このような場とそれによるコミュニティの協力、多様な人材の活用を通じて、惑星の起源・進化・多様性をカバーする研究を推進し、汎惑星系モデルの構築を目指す。研究推進は大きく以下の二つのプログラムで実行される。
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神戸大学 | 北海道大学 |
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惑星科学研究センターを世界の惑星科学のCOEネットワークのノードを構成する拠点へと拡充することを目指す。 |
惑星科学研究センター | 神戸大学 理学研究科地球惑星科学専攻 |
北海道大学 宇宙観測基礎データセンター |
北海道大学 理学院宇宙理学専攻 |
北海道大学 低温科学研究所 |
資料 (関係者のみ) |